診療所の夜間オンコール、手当だけで足りるか?待機時間と宿日直許可の境界線
#クリニック経営#診療所#院長#オンコール#宿日直許可#労働基準法#社労士#労務管理

「夜間の電話は看護師が交代で受けてもらっている。

その分は月1万円の待機手当を払っている」。

診療所ではよく聞く運用です。


しかし、待機していた時間が労働時間にあたるかどうかは、手当を払っているかどうかでは決まりません。

実態しだいでは、待機していた時間すべてに賃金と割増賃金が発生します。


この記事では、待機時間の線引きと、労働基準監督署の宿日直許可で何が外れて何が外れないのかを整理します。

社会保険労務士・行政書士小笠原事務所

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1. 結論:ここだけ押さえる

✅待機時間が労働時間になるかは、手当を払っているかではなく、拘束の実態で決まります。呼ばれたらすぐ対応することを求められ、労働から離れることが保障されていない時間は労働時間です(平成29年1月20日基発0120第3号)。

宿日直許可(実作業がほとんどない当直について、労働基準監督署の許可を受けること)を受ければ、その範囲で労働時間・休憩・休日の規定が外れます(労働基準法第41条第3号、労働基準法施行規則第23条)。ただし深夜の割増賃金の義務はなくなりません(同法第37条第4項)。もっとも、宿日直手当はこれを含むものとして設計されています(詳しくは4章)。年次有給休暇も外れません。

✅許可は所属診療科・職種・時間帯・業務の種類等を限って与えられます(令和元年7月1日基発0701第8号)。許可の範囲を超えて通常の勤務と同じ業務をさせた時間には、時間外労働の手続と割増賃金が必要です。

2. 待機時間は、どこから労働時間になるのか

診療所の法定労働時間は、1週40時間とは限りません

前提を1つ確認します。

労働基準法第32条は、休憩時間を除いて1週40時間・1日8時間を上限としています。


ただし、診療所には特例があります。

診療所は労働基準法別表第一第13号の「病者又は虚弱者の治療、看護その他保健衛生の事業」にあたり、常時使用する労働者が10人未満の事業場は、1週44時間(1日8時間は同じ)まで認められます(労働基準法第40条、同法施行規則第25条の2第1項)。

これを実務では特例措置対象事業場(週44時間まで認められる、業種と規模の要件を満たす事業場)と呼びます。


自院がこの特例の対象かどうかで、時間外労働として数える時間が変わります。

まず、常時使用する労働者の人数を確認してください。

10人以上になれば特例は使えず、1週40時間に戻ります。


ここでいう人数は、常勤換算ではありません

パート・アルバイトを含めた実人数を、事業場(院)ごとに数えます。

繁忙期に一時的に10人以上になっても、常態として10人未満であれば対象です。

逆に、常態として10人以上であれば、常勤の職員が少なくても特例は使えません。

人員基準の常勤換算(職員の勤務時間を、常勤が何人分にあたるかに置き換えて数える方法)とは別の数え方なので、混同しないでください。


なお、1年単位の変形労働時間制(労働基準法第32条の4)などを採用する場合には、この特例は適用されません(同法施行規則第25条の2第4項)。

導入前に個別に確認してください。

労働時間とは「指揮命令下に置かれている時間」

労働基準法は、この「労働時間」が何を指すのかを定めていません。


行政の考え方を示したのが、厚生労働省の「労働時間の適正な把握のために使用者が講ずべき措置に関するガイドライン」(平成29年1月20日基発0120第3号)です。

ここでは、労働時間を**使用者の指揮命令下に置かれている時間**としています。

会社の明示または黙示の指示によって従業員が業務に従事する時間は、労働時間にあたります。


大切なのは、実際に何をさせているかで決まる、という点です。

就業規則や雇用契約書に「待機時間は労働時間としない」と書いても、実態が指揮命令下にあれば労働時間になります。

手待ち時間は、休憩ではなく労働時間です

手待ち時間(作業はしていないが、呼ばれればすぐ動ける状態で待っている時間)は、労働時間として扱われます(昭和33年10月11日基収6286号)。

この通達(行政が内部向けに示す、法令の解釈や運用の指示)はトラック運転者の待機についてのものですが、診療所の電話当番も同様に解されます。


休憩時間との違いは、労働から離れることが保障されているかどうかです。

会社から指示を受けることがなく、その時間を自由に使えることが保障されていれば休憩時間です。

指示があればすぐ業務に就くことを求められ、労働から離れることが保障されていなければ、それは手待ち時間であり労働時間です。


診療所の場面に置き換えます。

受付を閉めたあと、看護師が院内に残り、かかってきた電話を受けることになっている。

電話が1本も鳴らない日もある。

それでも、鳴れば出ることになっている以上、労働から離れることは保障されていません。

院内で待つのか、自宅で待つのかで何が変わるのか

オンコール(呼び出しに備えて、自宅などで待機すること)の場合、判断はもう少し細かくなります。

実務上は、次のような点を総合して判断するという整理が一般的です。


✅待機する場所を指定しているか(院内にいることを指示しているか)

✅呼び出しから何分以内に対応することを求めているか

✅実際にどれくらいの頻度で呼び出されているか

✅待機中に食事・入浴・睡眠・外出をどこまで自由にできるか


院内での待機を指示し、すぐに動ける状態でいることを求めているなら、労働時間にあたる方向に傾きます。

一方、自宅で過ごしてよく、呼び出しがまれで、外出も飲酒も制限していないような場合には、待機時間そのものは労働時間にあたらないと整理される余地があります。

ここは実態しだいで結論が変わる領域です。

「自宅待機だから労働時間ではない」と一律に決めつけることはできません。


そして、これは争いのない点ですが、呼び出されて実際に対応した時間は、自宅待機であっても労働時間です

電話で指示を出した時間、院に戻って処置をした時間は、記録して賃金を払う必要があります。


なお、呼び出しを受けてから院に着くまでの移動時間の扱いは、通勤時間との区別をめぐって見解が分かれています。

争いを避けるため、あらかじめ就業規則や賃金規程で取扱いを定めておくことをおすすめします。

3. 診療所ではどこが問題になるか——宿日直許可という特例

ここまでは、業種を問わない一般論です。

診療所に固有の論点はここから先にあります。


はじめに、混同しやすい制度を切り分けておきます。

医療法第16条が医師の宿直を義務づけているのは病院であり、診療所には及びません(同条)。

以下で扱う労働基準法の「宿日直許可」は、これとはまったく別の制度です。


また、同じ診療所でも、有床診療所は入院患者への夜間対応が常態化しやすく、無床診療所より許可の基準を満たしにくい傾向があります。

以下の枠組みは無床・有床のいずれにも共通しますが、許可の可否は自院の夜間業務の実態で決まります。

宿日直許可とは何か

労働基準法第41条は、労働時間・休憩・休日に関する規定を適用しない人を3つ挙げています。

その第3号が「監視又は断続的労働に従事する者で、使用者が行政官庁の許可を受けたもの」です。


これを受けた労働基準法施行規則(法律の細かい部分を定めた命令)第23条は、宿直または日直の勤務で断続的な業務について、様式第10号により所轄労働基準監督署長(事業場の所在地を担当する労働基準監督署の長)の許可を受けた場合には、第32条にかかわらず従事させることができるとしています。


つまり、許可を受ければ、その範囲では1日8時間・1週40時間(特例措置対象事業場なら44時間)の枠に縛られなくなります。

これが適用除外(そのルールが適用されないこと)です。

一般的な許可基準

まず、業種を問わない基本の基準があります(昭和22年9月13日発基第17号)。


常態としてほとんど労働する必要のない勤務だけを認める趣旨であること

✅定時的巡視、緊急の文書または電話の収受、非常事態発生の準備等を目的とするものであること

✅通常の労働の継続は、原則として許可しないこと

✅宿直・日直とも相当の手当を支給し、宿直については相当の睡眠設備を設けること


さらに、金額と回数の目安が示されています(昭和63年3月14日基発第150号)。


✅宿日直手当は、その事業場で宿直または日直の勤務に就くことが予定されている同種の労働者の賃金の1人1日平均額の3分の1以上であること

宿直は週1回、日直は月1回が限度であること


回数には例外があります。

その事業場に勤務する18歳以上の者で法律上宿直または日直を行いうるすべての人にさせてもなお不足し、かつ勤務の労働密度が薄い場合には、実態に応じて必要最小限度の範囲で、これを超えて許可されることがあります。

職員数の少ない診療所では、この例外が現実に効く場面があります。

「人数が足りないから無理だ」と最初から諦めず、監督署に相談してください。

医療機関には、専用の許可基準があります

医師や看護師の当直は、まったく何も起きないわけではありません。

そこで、医療機関向けの判断基準が別に示されています。

「医師、看護師等の宿日直許可基準について」(令和元年7月1日基発0701第8号)です。


この通達は、次の条件を挙げています。

✅通常の勤務時間の拘束から完全に解放された後のものであること

✅宿日直中は、一般の宿日直業務のほかには、特殊の措置を必要としない軽度の又は短時間の業務に限られること

✅宿直の場合、夜間に十分な睡眠がとり得るものであること

✅上記のほか、前の項目で挙げた一般的な許可基準(手当の額、回数、睡眠設備など)も満たしていること


4つ目が重要です。

医療機関向けの基準は、一般的な基準に置き換わるものではなく、上乗せされるものです。


許可の対象になる業務としては、次のような例が挙げられています。


✅医師が、少数の要注意患者の状態の変動に対応するため、問診等による診察等や、看護師等に対する指示、確認を行うこと

✅看護職員が、病室の定時巡回、患者の状態の変動の医師への報告、検脈・検温を行うこと


逆に、通常の勤務時間と同じ態様の業務が想定されるなら、許可は与えられません。

許可は「限って」与えられます

診療所の院長が誤解しやすいのがここです。

同じ通達は、宿日直許可を所属診療科・職種・時間帯・業務の種類等を限って与えることができるとしています。


つまり、「うちは宿日直許可を取っているから、夜間の勤務はすべて適用除外」という理解は誤りです。

許可証に書かれた職種・時間帯・業務の範囲の外は、通常どおり労働時間の規定がかかります。


たとえば、看護職員の深夜帯について許可を受けていても、医療事務職員の電話当番はその許可の範囲に入っていない、ということが起こり得ます。

院内で許可の範囲を共有していないと、範囲外の勤務に賃金を払い忘れることになります。

許可は、取ったら終わりではありません

もう1つ、診療所で起きやすいのが「許可はあるが、実態が伴っていない」という状態です。


労働基準法第41条第3号が適用除外にしているのは「監視又は断続的労働に従事する者」です。

許可はその前提の上に成り立っています。

夜間の患者数が増えた、往診を始めた、電話の件数が倍になったといった変化があれば、許可を受けたときの前提は崩れます。


許可の取得後も、夜間の業務内容と件数を定期的に記録し、申請時の前提から離れていないかを確認してください。

前提が崩れたまま運用を続ければ、許可が取り消されることがあります

取り消されれば、その勤務は通常の労働時間として扱われ、時間外・休日・深夜の割増賃金が必要になります。

許可を受けたあとに、通常業務をさせてしまったら

宿日直中に、通常の勤務時間と同じ態様の業務に従事することも現実には起こります。

同通達は、それがまれな場合であれば許可を取り消す必要はないとしています。


ただし、その時間については、労働基準法第33条または第36条第1項による時間外労働の手続をとり、第37条の割増賃金(残業・休日・深夜に働いた分の上乗せ賃金)を支払う必要があります。


そして、通常業務が常態化しているなら、そもそも許可は与えられません。

急患対応が毎晩続いているなら、それは「ほとんど労働する必要のない勤務」ではないからです。

個人開業と医療法人で、どこが変わるのか

労働基準法は事業場ごとに適用されます。

院長が個人事業主であっても、医療法人の理事長であっても、人を雇っていれば同じルールがかかります。

宿日直許可の申請先も、同じく所轄労働基準監督署長です。


変わるのは、院長自身が労働時間の規制の対象になるかです。

個人開業で院長が開設者本人であれば、人を雇う側なので対象外です。

これに対し、医療法人に雇用されている院長(管理者)や分院長は従業員にあたり、労働時間の規制も、令和6年4月からの医師の時間外労働の上限規制も適用されます。

理事長を兼ねている場合に従業員にあたるかは、肩書ではなく実態で判断されます。自院がどちらにあたるかは、個別に確認してください。

4. 許可を取っても、外れないもの

深夜の割増賃金の義務は、なくなりません

労働基準法第41条が適用除外にしているのは、「労働時間、休憩及び休日に関する規定」です。

深夜の割増賃金を定めた第37条第4項は、これに含まれません。


第37条第4項は、午後10時から午前5時までの間に働かせた場合、通常の労働時間の賃金の計算額の2割5分以上の率で計算した割増賃金を支払わなければならないとしています(厚生労働大臣が必要と認める地域・期間については午後11時から午前6時まで)。

ここでいう2割5分は上乗せ部分の率です。1.25倍ではありません。


ただし、実務の整理は「宿日直手当とは別に、もう一段上乗せする」というものではありません。

許可基準上、宿直手当は深夜割増賃金を含むものとして設計されています。

労働局によっては、許可申請の際に「宿直又は日直勤務手当最低額算定書」(各労働局が定める様式)の提出を求められますが、これも深夜割増賃金を含んだ額として算定します。


院長が確認すべきは、次の2点です。


1. 支払っている宿日直手当が、許可基準の最低額(同種の職員の賃金の1人1日平均額の3分の1)以上になっているか

2. その額が、深夜帯の勤務について計算した深夜割増賃金の額(1時間あたりの賃金額 × 0.25 × 深夜帯に勤務した時間数)を下回っていないか


2つ目を下回るようであれば、差額を支払っておくのが安全です。

第37条第4項の義務そのものは残るためです。

年次有給休暇も外れません

第41条が外すのは労働時間・休憩・休日の規定です。

年次有給休暇(労働基準法第39条)はこれに含まれず、宿日直許可を受けた職員にもそのまま適用されます。

年次有給休暇が年10労働日以上与えられる職員については、年5日の時季指定義務(会社が有給の取得日を指定して取らせる義務。職員が自分で取得した日数や、計画的付与で与えた日数は差し引きます)も同じです(同条第7項・第8項)。

時間外労働の上限規制との関係

医師について

診療に従事する勤務医には、令和6年4月1日から時間外・休日労働の上限規制が適用されています。

原則の水準(A水準)は年960時間です。

診療所に勤務する医師も対象です。

病院だけの話ではありません。


なお、宿日直許可のある宿日直の時間は、許可の範囲では、この上限規制との関係で労働時間としてカウントされません。

宿日直許可を取るかどうかが、上限規制への対応にも効いてくるのはこのためです。

水準の区分、副業・兼業先との通算、面接指導や勤務間インターバルといった健康確保の措置は、労働基準法と医療法にまたがる別系統の話になるため、別の記事で整理します。


看護師・医療事務職員について

一般の上限規制がかかります。

労働基準法第36条第4項の限度時間は、1か月45時間・1年360時間です。

これを超えるには特別条項が必要で、その場合も年720時間などの枠がかかります(同条第5項)。

また、特別条項の有無にかかわらず、休日労働を含めた実労働時間にも、月単位と複数月平均の上限がかかります(同条第6項)。


夜間の待機を労働時間として数え直すと、この枠に収まらなくなる診療所は少なくありません。

36協定(残業や休日労働をさせるために必要な労使協定。締結したうえで労働基準監督署への届出が必要です)の時間数が実態に合っているかを、あわせて確認してください。

5. 実務での運用ポイント

まず、拘束の実態を書き出します

判断の出発点は、就業規則の文言ではなく、実際に何をさせているかです。

次の4点を紙に書き出してみてください。


✅待機する場所をどこに指定しているか

✅呼び出しから何分以内の対応を求めているか

✅直近3か月で、実際に何回・何時に呼び出され、1回あたり何分かかったか

✅待機中の食事・入浴・睡眠・外出をどこまで認めているか


3つ目の呼出記録は、特に重要です。

記録がないと、待機時間の実態を客観的に示す資料が院内に何も残りません。

宿日直許可を検討するなら、この順番で

一般論としての手順は次のとおりです。


1. 夜間・休日の業務の内容と件数を、1か月から3か月分記録する

2. その内容が「特殊の措置を必要としない軽度の又は短時間の業務」に収まっているかを確認する

3. 宿日直手当が、同種の職員の1人1日平均額の3分の1以上になるかを試算する

4. 宿直について、夜間に十分な睡眠がとれる設備を整える

5. 様式第10号により、所轄労働基準監督署長へ申請する

6. 許可が下りたら、許可の範囲(職種・時間帯・業務の種類)を院内で共有する

7. 許可後も夜間の業務内容と件数を記録し、申請時の前提から離れていないか定期的に確認する


2つ目でつまずくなら、許可の申請より先に、夜間の業務量そのものを見直すことになります。

要件を満たさないまま「許可を取ったつもり」で運用するのが、いちばん危ない状態です。

よくある誤解と実際

誤解:待機手当を払っているから、残業代は要らない

実際:待機時間が労働時間にあたれば、その時間の賃金と割増賃金が必要です。手当の有無で労働時間かどうかは決まりません


誤解:宿日直許可を取れば、深夜の割増賃金は考えなくてよい

実際:第37条第4項は適用除外になりません。ただし宿日直手当は深夜割増賃金を含むものとして設計されるため、手当額が法定の深夜割増賃金額以上なら足ります。下回れば差額の支払が必要です


誤解:許可を1回取れば、院内のすべての夜間勤務が対象になる

実際:許可は所属診療科・職種・時間帯・業務の種類等を限って与えられます(令和元年7月1日基発0701第8号)。範囲外は対象外です


誤解:許可さえあれば、夜間の業務が増えても問題ない

実際:適用除外の前提は「常態としてほとんど労働する必要のない勤務」です。前提が崩れれば、許可があっても実態で判断されます


誤解:自宅で待っているだけなら、労働時間になることはない

実際:拘束の程度によります。呼び出されて実際に対応した時間は、自宅待機であっても労働時間です


誤解:当直中に急患が来ても、許可があるから割増賃金は要らない

実際:まれな場合であれば許可は取り消されませんが、その時間には第33条または第36条第1項の手続と、第37条の割増賃金が必要です


誤解:医師の時間外労働の上限規制は、病院の話で診療所には関係ない

実際:診療所に勤務する医師も対象です(令和6年4月1日適用)


誤解:職員が10人未満だから、労働時間の上限はゆるい

実際:常時10人未満の診療所は1週44時間まで認められますが(労働基準法第40条、同法施行規則第25条の2第1項)、それを超えれば時間外労働です。1日8時間の枠も変わりません。人数は常勤換算ではなく実人数で数えます

7. まとめ

夜間のオンコールは、診療所にとって避けにくい体制です。

問題は体制そのものではなく、**待機時間を労働時間として整理しないまま、手当だけで処理してしまう**ことにあります。


整理の順番は3つです。

第1に、拘束の実態を書き出して、待機時間が労働時間にあたるかを見極めること。

第2に、宿日直許可を受けられる業務量なのかを確認し、受けるなら許可の範囲を院内で共有し、その後も前提が崩れていないかを見続けること。

第3に、許可を受けても外れない深夜の割増賃金と年次有給休暇、そして上限規制への対応を残さず押さえること。


賃金の請求権の時効は5年で、当分の間は3年とされています(労働基準法第115条、第143条第3項)。

未払いがあれば、その期間分がまとめて請求されることになります。

夜間の電話当番を何年も同じ運用で続けているなら、いま一度、呼出記録から確認することをおすすめします。




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